【体験談あり】みんなどうしてる?共働き世帯の小学校PTA事情
家事と仕事の両立|知る、つながる、働くわたし

子どもが小学生になると密接に関わってくるのが小学校のPTA活動です。特に共働き世帯では、今後の心配事の1つではないかと思います。「PTAって大変そうだけど、具体的にどんなことをするの?」「仕事と両立できるの?」といった不安を抱く方も多いでしょう。 この記事では、小学校PTAの役割・仕事内容・共働き家庭の課題・最新のデジタル化事情について、体験談を交えて紹介します。
目次
小学校PTAとは?役割と成り立ち
PTAとは、「Parent Teacher Association」の略語で、昭和20年にアメリカから日本へ伝わりました。「家庭教育の充実を図り、学校・地域と連携して子どもたちのために活動する団体」として、全国の小学校で活動が行われています。
小学校PTAの役員・委員の仕事内容
では、具体的にPTAにはどのような仕事があるのでしょうか。PTA役員の仕事内容の割り振りや名称は学校ごとに異なりますので、一般的な例をご紹介します。
PTA本部役員

専門委員会

このように、大きく「本部役員」「専門委員会」とわかれており、「専門委員会」の上に位置し、PTA組織の全体を統括しているのが「本部役員」です。
共働き家庭にとっての小学校PTAの課題
子どものためとはいえ、PTAの集まりは平日開催が多く、有給休暇を消化してしまうケースがあります。そのため、体調不良時や家族行事などに有給休暇が使用できないなどの懸念もあります。「仕事の調整が難しい」「家庭との両立が大変」と感じる保護者も多いでしょう。負担を減らすための具体的な取り組みを紹介します。
情報収集
学校ごとに活動内容や活動回数も異なるため、情報収集が一番大切です。ご近所付き合いの中で話を聞いたり、学童の入所説明会や送迎で顔見知りを作ったりする中で、PTA活動について情報交換しましょう。
役員・委員になるタイミングを決める
自身の就労状況や兄弟姉妹の有無、家族や自身の健康状態によって、活動しやすいタイミングが変わってきます。また、中学受験を考えている場合は6年生での就任を避けたいなどの希望があるかもしれません。一般的には低学年で役員・委員を希望する人が多いようです。
職場に伝える
役員や委員を担当すると、平日の活動に参加する機会も多くなるかもしれません。事前に上司や同僚へ伝え、休暇取得への理解を得たいところです。

先輩ママ・パパが語る小学校PTA体験談
では、先輩パパ・ママはどのような経験をしたのでしょうか。現在小学生のお子さんを持ち、近年PTA役員・委員を担当した方にお話しをうかがいました。
体験談1(ママ)

体験談1(ママ)|本部役員 副会長(総務部)
Q.仕事内容について教えてください。
A. 専門委員会総務部の取りまとめ全般をやっていました。
Q.役員をやっていて良かったことは何ですか?
A.他のPTAとのつながりができたことです。働いていると保護者との接点がないため、とてもよかったし、やりがいがあって楽しかったです。
Q.では、大変だったことを教えてください。
A. 当時は紙の印刷が多く、平日の半日学校に行って作業しなければならず、月に1度有給休暇をとらなければならなかったことです。また、全員参加の担当役割をやりたがらない保護者を説得するため、個別に手紙を書くなどをしなければならなかったことが大変でした。
Q.活動の頻度を教えてください。
A.基本的には月に1回、多くて月に2回ほど会議と作業のために学校に行きました。副会長が運営日程を決める役割であったため、活動日は小分けにせず、1日で行えるようにまとめました。
体験談2(ママ)

体験談2(ママ)|学級委員
Q.仕事内容について教えてください。
A. ベルマーク集計、白衣のほころび修繕、PTA会費の集金、子どものレクリエーション企画、給食試食会の運営、保護者の茶話会企画などクラスに関わることを全般に行っていました。
Q.役員をやっていて良かったことは何ですか?
A.他の保護者との関わり、友人が増えたことですね。また、学校に行く機会が多いので、学校での子どもの様子が見られたり、先生と話す機会が増えるため仲良くなれたりしたことも良かったです。
Q.では、大変だったことを教えてください。
A. 当時は現金を集金し、教室で現金を数えたり、ベルマークをより分けたりと手作業が多かったことが大変でした。
Q.活動の頻度を教えてください。
A.イベントの都度だったため、平均して月に1回程度行っていました。
体験談3(ママ)

体験談3(ママ)|校外委員
Q.仕事内容について教えてください。
A. 登校班の見守り、登校班係の保護者と学校の橋渡し役、地域の交流会企画運営、通学路の不整備項目を確認し、警察へ連携するなど、通学路や学校の外に関わる業務内容でした。
Q.役員をやっていて良かったことは何ですか?
A.学校行事を身近に感じられたこと。他の保護者と仲良くなれたことが良かったです。
Q.では、大変だったことを教えてください。
A. 委員会が平日にあるため、毎月半休を取って出席しなければならなかったことです。
Q.活動の頻度を教えてください。
A.月に1回程度です。長期休暇中はありませんでしたので、年間8回ほど。学校に行ったり、リモートでの打合せもありました。
体験談4(パパ)

体験談4(パパ)|厚生委員(委員長)
※お話はママにうかがいました。
Q.仕事内容について教えてください。
A. 通学路の旗振り当番に関する運営、ベルマーク集め、ペットボトルのキャップ集めなどが主な業務でした。
Q.役員をやっていて良かったことは何ですか?
A.パパが参加していたため、パパが学校のことに詳しくなり、家族間のコミュニケーションが深まったことです。
Q.では、大変だったことを教えてください。
A. さまざまな事情を抱えた保護者がいるため、業務の調整が大変だったようです。時にはわがままばかり言う人もおり、平等にするために毎回頭を悩ませていました。
Q.活動の頻度を教えてください。
A.行事の都度でしたので、年間8回ほど。ペットボトルのキャップ集めは、1学期に1回、学校が空いている時間に回収する必要がありました。このように学校との間で取り決めがあったため、 少しの用事でも会社を休んで作業をすることもありました。
4名の体験談から共通していたのは「PTAの形が時代とともに変化している」ということです。具体的には、紙の印刷が減り、学校のルートに乗せたPDFの配信が利用できるようになっていたり、PTA会費が電子マネーで集金できるようになっていたりと、デジタル化による効率化が進んでいます。
小学校PTAの最新事情|デジタル化と柔軟な運営
半強制的なPTA廃止の動き
共働き家庭の増加や、核家族化による家族形態の変化によって、全員が必ず固定の係を担当する従来のPTA運営を見直す動きが広がっています。役員は最低限の人数とし、専門委員会を廃止する学校もあるようです。
では、その場合はどのように運営されているのでしょうか。
活動ごとのボランティアによる任意参加
学校行事の係について、イベントごとにPTA本部や先生が協力者を募集します。プール授業の見守りや運動会の係など、保護者が可能な時に応募して参加することで、働いている保護者も参加しやすいようです。
また、地域によっては卒業生にもボランティアを募ることがあります。係の人員を補うとともに、卒業生にとっては母校へ訪問する良い機会となっているようです。係をする中で、世代を超えた会話が生まれ、地域交流の活性化にも繋がっています。
活動の見直し
PTA会費の使い方が見直され、「ベルマーク委員」などの負担の多い委員会が廃止となっています。
また、PTAに関する広報物をデジタル化することで、既存の印刷、製本にかかる費用や労力の負担も軽減されてきています。
PTAのデジタル化
このようなPTAの連絡事項の周知やボランティアの募集には、メッセージアプリやグループチャットなどのデジタル化ツールがひと役買っています。
PTA役員自体が廃止となっていない学校でも、会議はリモートで行われることが増えてきました。
まだまだ負担の多いPTA役員作業ですが、うまくデジタル技術を取り入れることで、少しずつ負担は減ってきているといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。PTAは学校によって活動内容や活動量が異なるため、一概に負担が少ない係を見極めることは難しいかもしれません。しかし、家庭では見せない子どもの姿を目にしたり、学校について詳しくなることで子どもとの会話が広がったりと、得るものも大きいのではないでしょうか。さらに、公立の小学校であれば同年代の子を持つ近所の知人が増えることは、今後の宝になるかもしれません。
共働き家庭でも、デジタル化やボランティア制の導入により、以前より参加しやすくなっています。現状は負担感のあるPTA役員も、今後時代とともに変化していくかもしれませんね。
共働き世帯の小学校の準備についてはこちらの記事もご参照ください。
PTAについての説明はこちら:はじめましてPTA | 日本PTA全国協議会

