扶養範囲内とは?年収の壁一覧と自分に合う働き方を見つけるコツ
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子育てが少し落ち着き、そろそろ仕事に復帰したいと考え始めたものの、「まずは扶養の範囲内で無理なく働きたい」という方は多いのではないでしょうか。
しかし近年は、「103万円の壁」をはじめ、税制や社会保険制度が見直され、扶養の考え方も変化しています。
この記事では、最新の制度に沿って扶養内勤務のしくみと年収の壁を分かりやすく解説するとともに、自分に合った働き方を考えるポイントについても紹介します。
✔ この記事のポイント
- 扶養範囲内とは、税金や社会保険の負担を抑えながら働くこと
- 扶養は「税金」「社会保険」「会社制度」の3つを確認することが大切
- 社会保険は年収だけでなく勤務時間や勤務先の条件でも変わる
- 損得ではなく、手取り・生活バランス・将来を含めて判断することが重要
目次
扶養範囲内とは?|「いくらまで・何に注意」を整理
扶養範囲内とは、配偶者など家族の扶養に入りながら働き、税金や社会保険料の負担を一定の範囲に抑える働き方のことです。
ただし、「扶養」は1つの制度ではありません。
| 制度 | 主な影響 | 代表的な基準 |
| 税金 | 所得税・住民税 | 136万円・169万円・178万円・207万円など |
| 社会保険 | 健康保険・年金 | 106万円・130万円など |
| 会社制度 | 家族手当・配偶者手当 | 会社ごとの規定 |
税金の扶養と社会保険の扶養は、それぞれ別制度です。そのため、「○万円までなら大丈夫」と一律には判断ができず、それぞれの基準を確認することが大切です。
【2026年版】年収の壁一覧|税金・社会保険の違いを一覧表で確認
年収の壁一覧
扶養に関する主な年収の目安は以下のとおりです。
| 年収の目安 | 主な影響 | 何が変わる? |
| 約110万円 | 住民税 | 住民税が発生する目安(自治体によって異なります) |
| 130万円 | 社会保険 | 社会保険の扶養から外れる目安 |
| 136万円 | 配偶者控除 | 配偶者控除の対象外となる目安 (以後は配偶者特別控除が適用) |
| 169万円超 | 配偶者特別控除 | 配偶者特別控除額が減り始める |
| 178万円 | 所得税 | 所得税が発生する目安(令和8年税制改正) |
| 約207万円 | 配偶者特別控除 | 控除対象外になる目安 |
※上記は代表的な目安であり、制度改正や勤務条件によって異なる場合があります。
※制度内容は2026年7月時点の情報に基づきます。今後の法改正により変更される場合があります。
※最新情報は国税庁・厚生労働省・勤務先・健康保険組合で確認してください。
年収ごとの目安を確認したら、次に税金・配偶者控除・社会保険の関係を図で見てみましょう。

※図は2026年度に適用される制度をもとに作成しています。今後の法改正等により内容が変更される場合があります。
年収の壁の全体像を確認したところで、パートという働き方の基本やアルバイトとの違いを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
年収の壁を見るときの注意点
年収の壁は分かりやすい目安ですが、年収だけで判断できるわけではありません。
特に社会保険では、収入以外にも働き方が重要になります。
社会保険の加入に関わる主な条件として、次のようなものがあります。
- 週の労働時間
- 雇用期間の見込み
- 勤務先の条件
- 雇用契約の内容
そのため、「130万円未満なら必ず扶養内」と一律に判断することはできません。
年収だけでなく、社会保険加入条件まで含めて確認することが大切です。
扶養の壁は2種類|税金と社会保険の違い
年収の壁を考えるときは、「税金の壁」と「社会保険の壁」を分けて考える必要があります。
所得税の壁|103万円から見直しへ、注目される「178万円の壁」
以前は「103万円の壁」がよく知られていましたが、2025年分の税制改正では、所得税の課税最低限は160万円へ引き上げられました。
さらに2026年の税制改正では、「178万円の壁」が新たな目安として注目されています。これは、基礎控除104万円と給与所得控除74万円を合わせた178万円まで、所得税がかからない仕組みとなったためです。課税最低限の引き上げにより、非課税で働ける範囲が広がり、パートやアルバイトで働く方が以前より収入を増やしやすくなりました。
また、2026年税制改正では、物価上昇に応じて基礎控除や給与所得控除を見直す仕組みも導入されています。今後は原則として2年ごとに見直しが行われる予定です。
なお、これらの改正は2026年分の所得税から適用されますが、2026年中の給与に対する月々の源泉徴収には原則反映されず、年末調整で精算されます。
配偶者控除・配偶者特別控除も確認しよう
配偶者の税負担に影響する基準として、年収136万円の壁があります。
136万円は、配偶者控除の対象となるかどうかの目安となる年収です。年収が136万円を超えると配偶者控除の対象外となりますが、すぐに税負担が大きく増えるわけではありません。
一定の範囲までは配偶者特別控除が適用されるため、配偶者の税負担への影響は段階的に変化します。
特に確認しておきたいポイントは次の2つです。
- 年収169万円を超えると、配偶者特別控除が段階的に減少する
- 年収207万円を超えると、配偶者特別控除の対象外になる
本人の税金だけでなく、配偶者の税金負担にも直結するため、働き方を考える際は
世帯単位で判断することが重要です。
社会保険の扶養|加入条件と130万円の壁を確認しよう
パートで働く人にとって、税金以上に手取りへ影響しやすいのが社会保険です。
特に106万円の壁と130万円の壁については、違いを理解しておきましょう。
106万円の壁とは?(2026年10月に制度改正予定)
「106万円の壁」とは、勤務先の社会保険加入要件の一つだった賃金要件(月額賃金8.8万円以上・年収換算約106万円)を指します。ただし、この賃金要件は2026年10月に廃止されます。そのため、今後は「106万円を超えるかどうか」だけで判断できる制度ではなくなります。
社会保険への加入を判断する際は、年収以外にも次のような条件が確認されます。
- 週20時間以上勤務
- 2か月を超える雇用見込み
- 学生ではない
- 勤務先が社会保険の適用対象である
- 月額賃金8.8万円以上(※2026年10月から賃金要件は廃止されます。)
今後は賃金条件の撤廃や、企業規模の見直しにより、社会保険の加入対象はさらに広がる見込みです。そのため、「106万円だけ見ていればよい」という時代ではなくなってきています。
また、社会保険に加入すると保険料負担が発生する一方で、将来受け取る年金が増えることや、保障が充実するといったメリットもあります。
社会保険の加入条件やメリットについて詳しく知りたい方は、パートで社会保険に加入する条件やメリットを解説した記事もあわせてご覧ください。
130万円の壁とは?
130万円は、配偶者などの社会保険の扶養に入れるかどうかを判断する代表的な目安です。ただし重要なのは、「今年の収入が130万円を超えたか」ではありません。
従来は、主に今後1年間の収入見込みをもとに扶養認定が行われていました。しかし、2026年4月からは被扶養者認定の取り扱いが見直され、労働条件通知書や雇用契約書などに記載された契約内容から見込まれる年間収入も重視されるようになっています。
そのため、扶養の判定では、単に現在の収入だけでなく、契約上の時給・勤務時間・勤務日数・各種手当などから算出される年間収入見込みも確認されます。
ただし、契約内容のみで判断されるわけではなく、実際の収入状況が確認される場合もあります。
また、勤務先の社会保険加入条件も合わせて確認することが大切です。
「130万円未満だから必ず扶養内」とは限らないため、収入と契約内容の両方を確認しておきましょう。
130万円の壁で確認されるポイント(社会保険)
| 確認ポイント | 内容 |
| 今後1年間の収入見込み | 130万円以上になる見込みがあるか |
| 労働条件通知書・雇用契約書の内容 | 契約上の賃金・勤務時間・勤務日数などから年間収入がどの程度見込まれるか |
| 収入の性質 | 一時的な収入増か、継続的な収入か |
| 勤務先の社会保険加入条件 | 週の所定労働時間や雇用期間などの加入要件に該当しない |
一時的に130万円を超えたらどうなる?
繁忙期のシフト増加や、一時的な残業などで、一時的に年収130万円を超える見込みになっても、すぐに扶養から外れるとは限りません。
一時的な収入増であることを勤務先が証明できる場合は、扶養を継続できるケースがあります。(※事業主証明による特例)
ただし、この取り扱いが認められるかどうかは、健康保険組合などによって判断が異なる場合があります。不安な場合は、勤務先や加入している健康保険組合へ確認しましょう。
「結局どこまで働く?」あなたに合った働き方を考えよう
ここまで読んで、「制度は分かったけれど、結局どこまで働けばいいの?」と感じている方もいるかもしれません。
年収の壁を超えると、所得税がかかり始めたり、社会保険の負担が発生したりする場合があります。また、配偶者の健康保険の扶養から外れたり、勤務先の家族手当の対象外になったりするケースもあります。
ただし、影響を受ける制度や条件は人によって異なります。大切なのは、制度上の損得だけでなく、自分や家族に合った働き方を選ぶことです。
扶養内と扶養外、どちらを選ぶ?|損得ではなく判断軸で考える
扶養内が正解とも、扶養外が正解とも一概には言えません。
家庭との両立を重視したい方もいれば、収入アップや将来の年金を重視したい方もいます。
大切なのは、制度上の損得だけでなく、自分自身のライフスタイルや将来の目標に合った働き方を選ぶことです。
扶養内で働くメリット・デメリット
扶養内勤務には、家庭とのバランスを取りやすいという大きなメリットがあります。
メリットとデメリットを整理すると、次のとおりです
扶養内で働くメリット
- 税金や保険料を抑えやすい
- 短時間勤務を選びやすい
- 家庭との両立がしやすい
- 身体的な負担を抑えやすい
扶養内で働くデメリット
- 収入の上限がある
- 求人の選択肢が限られる
- 将来の年金額が増えにくい
- 収入調整が必要になる
扶養外で働くメリット
扶養を外れて働く場合は、収入を増やしやすくなり、社会保険による保障も充実します。
さらに、仕事の幅が広がり、キャリア形成にもつながるというメリットがあります。
扶養外で働くメリット
- 収入を増やしやすい
- 社会保険に加入することで、厚生年金や各種保障の対象になる
- 仕事の幅が広がる
- キャリア形成につながる
社会保険料の負担は発生しますが、その分将来の年金が増えたり各種保障を受けられたりする可能性があります。
今後どう働く?|タイプ別の考え方
年収の壁を理解したら、次は自分に合った働き方を考えてみましょう。
自分のライフスタイルや将来設計に合った選択をすることです。
「結局、私は扶養内で働いた方がいいの?それとも収入アップを目指した方がいいの?」
年収の壁の正解は一つではありません。まずは今の自分に近いタイプをチェックしてみましょう。

扶養内を優先したい
子育てや家庭との両立を重視
こんな方におすすめ
- 扶養を維持したい
- 勤務時間を増やす予定がない
- 手取りの急な減少を避けたい
- 子育てや介護との両立を優先したい
確認したいポイント
- 年収130万円未満に収まりそうか
- 週20時間以上にならないか
- 社会保険加入条件に当てはまらないか
おすすめの働き方
扶養内勤務

少し収入を増やしたい
家計を助けながら無理なく働きたい
こんな方におすすめ
- 今より少し収入を増やしたい
- シフトを増やそうか迷っている
- 扶養も気になる
- 将来的に働く時間を増やす可能性がある
確認したいポイント
- 今後の収入見込み
- 社会保険加入条件
- 配偶者の会社の家族手当
おすすめの働き方
扶養内・扶養外を比較しながら検討

しっかり収入を増やしたい
教育費や老後資金のために収入を増やしたい
こんな方におすすめ
- 教育費や老後資金を準備したい
- 世帯収入を増やしたい
- キャリアアップも考えたい
- 勤務時間を増やせる
確認したいポイント
- 社会保険加入のメリット
- 昇給制度
- 正社員登用制度
- キャリア形成
おすすめの働き方
扶養外勤務
どのタイプにもメリットがあります。
「どの年収の壁を超えるか」ではなく、「どんな働き方をしたいか」から考えることが、自分に合った仕事選びの第一歩です。
今後どう働くか迷ったときの確認ポイント
働き方に迷ったときは、次の3つのポイントを整理してみましょう。
① 扶養内を維持したいか、それとも収入アップを目指したいか
まずは、自分が何を優先したいのかを整理してみましょう。
② 年収130万円と週20時間を超えそうか
扶養内勤務を希望する場合は、収入だけでなく勤務先の社会保険加入条件も確認しましょう。
③ 家族手当や社会保険への影響はないか
配偶者の勤務先の家族手当の支給条件や社会保険加入条件も確認しておくと安心です
自分に合う働き方を選ぶために|求人選びのチェックポイント
年収の壁や扶養の仕組みを理解したら、次は実際の仕事選びです。
扶養内勤務を希望する方も、将来的に収入アップを目指す方も、応募前に社会保険加入条件を確認しておきましょう。社会保険は年収だけでなく、勤務時間や雇用条件によっても加入の有無が決まります。
扶養内で働きたい方が確認したいポイント
扶養内勤務を希望する場合は、年収だけでなく、勤務時間やシフトも重要です。
応募前に、次のポイントを確認しておきましょう。
- 年収130万円以内で調整しやすいか
- 週20時間以上の勤務になる可能性はあるか
- シフトや勤務時間の調整がしやすいか
- 繁忙期などに勤務時間が増える可能性があるか
扶養内勤務を続けたい場合は、繁忙期にシフトが増える可能性についても確認しておくと安心です。
収入アップを目指す方が確認したいポイント
将来的に収入を増やしたい方は、現在だけでなく将来を見据えて求人を選ぶことが大切です。
次のポイントを参考に、自分に合った求人を探してみましょう。
- 社会保険に加入できる条件を満たしているか
- 希望する勤務時間・日数で働けるか
- 昇給制度があるか
- 正社員登用制度があるか
- 長く働ける職場環境か
将来的に働く時間を増やしたい方や、キャリアアップを考えている方は、仕事内容だけでなく職場の制度にも注目してみましょう。
面接や応募時に確認しておきたいこと
求人票だけでは分からないことも少なくありません。
面接では、実際の働き方について、次の項目を確認しておきましょう。
- 社会保険の加入条件
- 繁忙期の勤務時間の変動
- 残業の有無
- シフト変更の可能性
- 扶養内勤務の希望を相談できるか
- 将来的に勤務時間を増やせるか
事前に確認しておくことで、入社後のミスマッチを防ぎ、自分に合った働き方を選びやすくなります。
パートとアルバイトでは、社会保険や有給休暇などの扱いが異なる場合があります。
パート・アルバイトの雇用条件の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
見落としやすい注意点|扶養から外れる原因になりやすいポイント
扶養内で働くために年収だけを意識している方は少なくありません。しかし実際には、年収以外にも注意したいポイントがあります。
ここでは、見落としやすい代表的なポイントを確認しておきましょう。
ダブルワークをしている場合
複数の仕事を掛け持ちしている場合は、それぞれの収入を合算して判断されます。メインの勤務先だけでは扶養内でも、合計すると年収の壁を超えてしまうケースがあるため注意が必要です。
交通費の扱い
交通費は、税務上は一定額まで非課税となる場合がありますが、社会保険の扶養判定では原則として収入に含めて判断されます。
ただし、具体的な取り扱いについては加入している健康保険組合等へ確認しておくと安心です。
家族手当や配偶者手当
配偶者の勤務先で支給されている家族手当や配偶者手当も見落としやすいポイントです。
会社によっては、配偶者の収入が一定額を超えると手当の支給対象から外れる場合があります。
年収の壁だけでなく、世帯全体の収入への影響も考慮しながら働き方を検討しましょう。
週20時間以上の勤務
年収だけではなく勤務時間も重要な判断基準になっています。
そのため、年収130万円未満であっても、勤務時間や雇用条件によっては社会保険加入の対象になることがあります。
特に、シフトが増えやすい職場や繁忙期に勤務時間が増える職場では注意が必要です。
よくある質問
扶養内で働きたい場合は、まず年間収入が130万円未満に収まる見込みと社会保険の加入条件を確認しましょう。なお、2026年4月以降は、今後1年間の収入見込みに加え、労働条件通知書や雇用契約書などの契約内容も被扶養者認定の判断材料となります。
税金や配偶者控除の基準もありますが、働き方によっては社会保険の加入が扶養に大きく影響する場合があります。
勤務時間や賃金などの条件によっては、年収130万円未満でも社会保険に加入するケースがあります。週20時間以上働く予定がある場合は、勤務先の社会保険加入条件も確認しておくと安心です
短期的には手取りが減る可能性があります。
健康保険料や厚生年金保険料を負担するためです。
しかし、将来の年金受給額が増えるほか、傷病手当金や出産手当金といった保障も受けられるようになります。そのため、目先の手取りだけではなく、将来まで含めて考えることが大切です。
繁忙期のシフト増加などによる一時的な収入増であれば、すぐに扶養から外れるとは限りません。社会保険においては、一時的な収入増であり今後は基準内に収まる見込みであると認められれば、事業主の証明によって扶養を継続できるケースがあります。
ただし、収入増加が継続すると判断された場合は取り扱いが異なるため、不安な場合は勤務先や健康保険組合へ確認しましょう。
まとめ|自分に合った働き方を選ぶために
年収の壁を正しく理解することは大切ですが、それ以上に大切なのは、自分や家族の状況に合った働き方を選ぶことです。
「扶養内で無理なく働きたい」「今後は収入アップも目指したい」など、働き方に迷ったときは、一人で悩まずに人材紹介会社へ相談してみるのも一つの方法です。
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働き方の選択肢を整理しながら、自分に合った仕事を探したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。自分に合った働き方を見つけることが、安心して長く働き続けるための第一歩になります。
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