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扶養内で働くには?年収の壁は6つもある?求職時に知っておきたい仕組みを解説

結婚してから働き始めるとき、勤務日数や時間といった働き方を考えるにあたって、扶養内で働くことを意識する方も多いと思います。今回は、扶養の仕組みと年収の壁の種類について解説していきます。

扶養内で働くことのメリット

「扶養内」とは、扶養される立場として優遇措置が受けられる範囲内を指します。このとき、どのようなメリットがあるのかを確認しましょう。

「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2つの恩恵がある

配偶者の扶養には、「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があり、それぞれ異なった形で適用されます。

税法上の扶養

収入が一定以下の配偶者や家族がいる場合に、世帯主の納税額が減額される仕組みです。住民税・所得税の負担が軽減される配偶者控除・配偶者特別控除というものがあります。

社会保険上の扶養

収入が一定以下の配偶者や家族は、医療保険・年金保険などの社会保険において、被扶養者として保障を受けることができます。

上記はいずれも一定の収入まで適用されるため、あらかじめ一定額に収まるよう計画しておくことが重要になります。

いわゆる「年収の壁」は6段階ある

上記の「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」に入れるかは収入によって決まりますが、それぞれの目安となる金額は計6段階あります。どのくらい働きたいか、世帯主の所得額と課税状況に応じて、自身に合った年収額を検討する必要があります。
主婦/主夫がパートとして働く場合、留意すべき金額は以下の通りです。

パートで働く主婦/主夫の年収と受けられる扶養区分

※「年収」…給与収入(受け取った給料の総額)のみを対象とした金額
※パートで働く主婦/主夫を本人と言います。

100万円の壁 …住民税の非課税限度額

本人の給与年収が100万円までは、住民税の所得割(所得に応じた住民税)が課税されません。100万円を超えた場合、超えた金額に応じて住民税の所得割が課税されます。
ただし自治体によっては年収100万円未満でも住民税の均等割(一定額の住民税)が課税される場合があるため、お住まいの自治体について確認しておくことをお勧めします。

103万円の壁 …所得税がかからない額

本人の給与年収が103万円分までは所得税がかかりません。
103万円を超えた場合、超えた金額に応じて所得税が課されます。

「103万円の壁」から「150万円の壁」への変更

従来、本人の給与年収が103万円以下の場合、世帯主の所得税・住民税に「配偶者控除」が適用されますが、これを超えると収入・税率が高い世帯主の課税所得から控除されなくなる仕組みでした。
しかし2018年の改正で設定された配偶者特別控除では、本人の給与年収が103万円を超えて150万円以下の場合も配偶者控除と同額の控除、世帯主の所得税に「配偶者特別控除」が適用されるようになりました。
※配偶者控除・配偶者特別控除は世帯主の所得に応じて適用金額が変動します。また、適用されない場合もあります。詳細な金額は国税庁HP(配偶者控除配偶者特別控除)をご覧ください。

106万円の壁 …勤務先・勤務条件によって社会保険への加入が必要

次の5つの条件を満たしている場合、本人は勤務先で社会保険に加入する必要があります。

社会保険への加入が必要となる条件(2022年10月から適用 厚労省HPより)
  • 勤め先の従業員数が一定以上である(※1)
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上(※2)
  • 2か月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

(※1)2022年・2024年の改正のポイントです。詳しくは後述します。
(※2)月額賃金とは、労働契約において定められた1か月の給与(通勤交通費、賞与、残業代を除く)です。

130万円の壁 …国民健康保険・国民年金への加入が必要

106万円の壁の条件に当てはまらなかった場合、130万円を超えると配偶者の健康保険の扶養および国民年金第3号被保険者から外れ、本人が国民健康保険・国民年金へ加入する必要があります。

150万円の壁 …配偶者特別控除が満額適用される上限額

本人の給与年収150万円が超え201万円までは世帯主の配偶者特別控除の額は、段階的に減少していきます。
詳細な金額は国税庁HPをご覧ください。

201万円の壁 …配偶者特別控除が適用されなくなる

本人の給与年収が201万円に達すると世帯主の配偶者特別控除は適用されなくなり、所得税の優遇制度から完全に外れることとなります。

2022年10月の改正で社会保険の適用対象が拡大します

従来は従業員501人以上の勤め先で働く場合に社会保険の適用対象となっていましたが、2022年10月の改正では101人以上の勤め先が新たに対象となります。さらに2024年10月には、51人以上の勤め先が対象に加わります。
また雇用期間についても、従来は1年以上が目安とされていましたが、2022年10月の改正では2か月以上へ変更されます。

各年の改正内容のまとめ

保険上の扶養内の範囲:各年の社会保険適用の改正内容

※所定労働時間・月額賃金は、契約書上に記載の通りに勤務した場合を想定して計算したものです。

なお、2022年10月の改正では、社会保険の内容も変更されます。厚生年金が受け取れるようになるほか、傷病手当金・出産手当金が給与の3分の2相当、支給されるようになります。

写真:スケジュールとToDo

まとめ

2022年現在、特に大きなインパクトのある壁は、社会保険上の扶養にかかわる106万円の壁・130万円の壁になっています。社会保険上の扶養に入りたい場合、106万円・130万円のどちらが適用される職場なのか、きちんと確認しておきましょう。
また、もし世帯主の勤務先で配偶者・扶養家族を対象とした手当が適用されている場合は、その条件も必ず確認しておきましょう。

扶養の壁は年々変化しており、より働き方の選択肢が増えるよう緩和されつつあります。社会保険の適用対象が拡大されたことで、扶養内の範囲は狭まりましたが、厚生年金や傷病手当金・出産手当金によって、より手厚くライフイベントに備えられるというメリットが付与されました。
ご自身のライフスタイルや必要な収入を考え、どれくらい働きたいか、どこまで扶養に入っているメリットを受けたいかを明確にしておくと、仕事探しの基準にもなります。ぜひ一度、ご家庭で話し合いながら検討してみてはいかがでしょうか。