【老後資金はいくら必要?】老後にかかるお金、年金受給額、備え方について解説
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![イラスト「老後資金はいくら必要」](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/11/a11b4bb3ba448d1fa402ac3dc62cc91f.jpg)
人生100年時代と言われるなかで、リタイア後のいわゆる「老後」と言われる期間に不自由のない生活を送るには、お金はいくら必要なのでしょうか。2019年頃には、「老後2000万円問題(※)」など話題にもなりましたが、2023年現在、一般的に「老後資金」はどれくらい必要になるのでしょうか。
この記事では、夫婦2人世帯、単身世帯それぞれケース別に老後の必要資金総額や、想定される年金受給額などをご紹介し、今からどのように備えるべきなのかお伝えしていきます。
※老後2000万円問題とは
2019年に金融庁・金融審議会「市場ワーキング・グループ報告書」により報告された試算によると、退職後30年間の生活には約2000万円が不足すると言われています。
目次
老後の生活費と老後のライフイベントにかかるお金とは
では実際、老後の生活費には月々どれくらいのお金が必要になり、30年だと総額いくら必要になるのでしょうか。
(ここでの老後とは、65歳定年退職以降30年間を想定しています。)
・消費支出 :日常の生活を営むにあたり必要な商品やサービスを購入して支払った支出
(消費税、自動車取得税も含む)
・非消費支出:税金や社会保険料など世帯の自由にならない支出および借入利子
(ケース①)夫婦2人世帯の場合
![表「夫婦二人あたりの老後の消費支出と非消費支出。」](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/11/956a81f8bb0ad728055f3e20159aea09-1800x655.png)
![表「夫婦二人あたりの老後の消費支出と非消費支出。」](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/01/de71842d21c4d0d3f1590de5562afc37.png)
(ケース②)単身世帯の場合
![表「単身世帯の老後の消費支出と非消費支出。」](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/11/dfef6b22c0154a9a7b0d4203cb92eeb9-1800x655.png)
![表「単身世帯の老後の消費支出と非消費支出。」](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/01/5d54e15a31b4a96e8934d02f79fc0dd1.png)
出典:家計調査報告〈家計収支編〉2022年〈令和4年〉平均結果の概要 p.19丨総務省統計局
想定される老後に発生するライフイベントごとの費用
![表「ライフイベントごとの平均支出額」](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/03/73990dbee11556fa32fbf825e9a27fd5.png)
![表「ライフイベントごとの平均支出額」](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/03/a1028a0fada9233f9d2221c3d9743331.png)
参照元:<介護費>2021(令和3)年度生命保険に関する実態調査
<医療費>厚生労働省 国民医療費、医療費の自己負担割合について
<葬儀>公益財団法人 生命保険文化センター 葬儀にかかる費用はどれくらい?
<子の結婚援助>ゼクシィ結婚トレンド調査2023【首都圏】
<お墓購入>第14回お墓の全国消費者実態調査(2023年)
<住宅リフォーム>令和4年度住宅市場動向調査報告書
上記図の通り、65歳以降30年間で夫婦2人世帯でおおよそ9700万円、単身世帯だと5600万円が老後の生活費として最低限の支出となります。
また介護・医療費や、冠婚葬祭費、自宅のリフォーム費、加えて趣味や旅行などゆとりある老後を目指すとさらに支出が見込まれます。
ではこれらの支出を支える年金は、一体どれくらいもらえるのでしょうか。
年金はいくらもらえるの?
(ケース①)夫婦2人世帯の場合(65歳以上平均)
①-1 夫、妻ともに厚生年金受給者
![夫婦2人の年金受給額(ともに厚生年金受給者)](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/11/db817c3fd5adde0de9f8bf19b1b72cb3.png)
![夫婦2人の年金受給額(ともに厚生年金受給者)](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/01/a2d075ada6f605d2122eee1506c2ecae.png)
①-2 夫が厚生年金、妻が国民年金受給者
![夫婦2人の年金受給額(夫が厚生年金、妻が国民年金)](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/11/9fb350f74b1c190190a7cdc249aa33b3.png)
![単身世帯の年金受給額(男性)](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/01/48509c73ac2b532ee833f8c7fdb0d1b4.png)
(ケース②)単身世帯の場合<厚生年金受給者>(65歳以上平均)
②-1 男性
![](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/11/6997a12920a82c66322540f58ee1ad1f.png)
![単身世帯の年金受給額(男性)](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/01/63940f9751d81d9467d6d3faa9591e34.png)
②-2 女性
![単身世帯の年金受給額(女性)](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/11/06bb90f362743e3e25cd81938fd4aa64.png)
![単身世帯の年金受給額(女性)](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/01/27c33feea2efa77b24aad287bd6da22b.png)
参照元:厚生年金保険・国民年金事業統計
上記の通り、夫婦二人ともに厚生年金受給者や厚生年金受給者の単身世帯(男性)であれば、65歳以降30年間の生活支出は、年金収入のみでもまかなえる試算になります。しかし実際は、介護・医療費や、自宅のリフォーム費用、お子さまへの援助などお金が必要になることも多く、さらに、趣味や旅行などゆとりある老後を送るには、おおよそ年金収入だけでは不足することが考えられます。
年金についての詳細記事はこちら▼
ゆとりある老後生活をおくるには
では、ゆとりある老後生活をおくるためには、どれくらい資金が必要になるのでしょうか。
生命保険文化センターの生活保障に関する調査によると、全国平均で38.4万円/月がゆとりある老後生活には必要だと考えるという調査結果が出ています。
この結果から、「老後2000万円問題」と言われる試算よりも、人々が考えるゆとりある老後生活には一人ひとりの備えがさらに必要であることがわかります。
![表「ゆとりある老後生活に必要なお金」](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/11/25608b0537a3307fcfc3badec1f0787b.png)
![表「ゆとりある老後生活に必要なお金」](https://www.mizuho-bp.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/01/c8f2dfe54b749c854e4c41a7171ec64b.png)
参照元:生命保険文化センター2022(令和4)年度「生活保障に関する調査」
老後に備えて今からできること
先述した通り、ゆとりある老後生活を送るためには、年金収入だけでは到底足りません。一人ひとりが今から老後に向けての備えを行うことがとても重要になります。
ここでは、今からできる老後資金の備えについてポイントを3つご紹介します。
①老後のライフプランを考える
将来について、実際には何が起きるかは分かりません。しかし、自分や家族の今後の想定されるライフイベントから見通しをたてることは可能だと思います。
自分の退職のタイミング、自宅のリフォーム、趣味の充実、お子さまの結婚やお孫さまの誕生など、自分自身がどのように老後生活を送りたいか一度しっかりと考えてみることが大切です。
②マネープランを考える
老後のライフプランが明確になると、必要になるのは「お金」です。
想定している老後生活にはどれくらいの「お金」が必要なのか、そのお金はどのように準備するのか、考えていく必要があります。
▼老後資金のシミュレーションはこちら
③実際に備えはじめよう
老後生活に向けたマネープランが出来たら、あとはそこに向けて、「お金」を実際に準備しましよう。
今ある収入から貯蓄も大切ですが、さまざまな制度を活用して、「資産形成」を行うことも非常に重要であるとされています。
「近い将来必要なお金」と「時期はまだ未定だが、必要になってくるお金」を色分けして考え、貯蓄と資産形成をバランスよく組み合わせながら備えることが大切です。
▼詳しい資産形成の制度やライフプラン、マネープランの考え方はこちら
まとめ
ここまで老後生活に必要になるお金ともらえるお金、老後資金の備え方について解説してきました。実際には、現時点での収入から備える以外に、収入を増やすということも重要になってきます。この記事を読んでいただいている方のなかには、就職や転職を検討されている方もいらっしゃると思います。ご自身の充実した老後生活のためにも、今から老後のために出来ることをやっていってみてはいかがでしょうか。